二項分布の推定
概要
事象
二項分布の性質が
尤度関数 = 二項分布の同時確率
この確率分布にもとづく確率変数
実際にデータ
最尤推定
最尤推定は (対数) 尤度関数が最大値を取る
MAP推定
MAP 推定はベイズ定理における事後確率
エビデンスの
ここで尤度関数
事前確率 = ベータ分布
ベータ分布は二項分布の自然共役分布であることから二項分布の事前確率を表すのによく用いられている。
分布の対数をとっても事後確率が最大化する位置の
少々煩雑になったが最終的に
ここで
事前確率 = 正規分布
正規分布 (normal distribution) は平均
事前確率
ベータ分布と同様に、分布の対数をとっても事後確率が最大化する位置の
ベイズ推定
最尤推定、MAP 推定がもっとも確率の高くなる位置の
ベイズの定理より、尤度関数とする二項分布 (
ベータ分布は積分して 1 となる確率密度関数であるため、上式に正規化項
式の意味は非常に簡単である。
事後確率 (
多項分布のベイズ推定で求めた事後確率は以下の置き換えで二項分布の事後確率に変形することができる。
実用例
- 例1: 未知のじゃんけん
-
二項分布において勝敗や成功/失敗、正常/異常のような
、 の事象はベルヌーイ分布と等価である。勝率が未知のじゃんけんで5回すべて勝ったとき試行回数
のうち5回勝利していることから と見なすことができる。最尤推定での勝率は
となり勝率 100% と言う結果になる。 とした MAP 推定に基づいた勝率は
ここで
に対する は右のグラフのように推移する。
の時に 、つまり勝率 100% で最尤推定での結果と一致する。
が大きくなるにつれ観測値 が推定に及ぼす影響が少なくなり、事前の想定がない状態での平均 に近づいてゆく。 - 例2: 1~5 点で評価する商品口コミサイトの推定評価
-
評価 1~5 の取り得る事象を
と置き換えると 評 価 より である。ある商品 A が 4 人の評価により 4, 3, 4, 5 点を得ている場合、二項分布に従う
回の試行で という結果を得たと考えられる。このとき、最尤推定と MAP 推定 ( ) を使ってもっとも確度の高い を求め、商品 A の推定評価を逆算すると: となる。別の商品 B は大衆向けではないがマニアな 1 名によって最高得点の 5 を付けられた。つまり
より商品 B の推定評価を求めると:このように MAP 推定は最尤推定に比べてサンプルが少ない状況で過度に結果にフィッティングしてしまう過学習を抑えることができる。